本年度は、超高真空チャンバシステムと、その中に設置する、結晶格子を基準とした位置決め、測定装置の開発を行った。測定装置の試料ハンドリング機構と位置決め機構の試作を行った。一方、位置決めと測定に関しては、大気中で、結晶を基準とした、広範囲の能動位置決めと、結晶を基準としたリニアエンコーダとしての応用の実験を行った。併せて、走査型力顕微鏡で観察される原子オーダの摩擦力をコンパレータで2値化する実験を行った。その結果、結晶の周期性を反映したパルス状の信号を得ることが可能となった。このサブテーマに関する課題は、これをリニアエコーダとして使用する場合の耐久性と信頼性の検証、スケールの動き始めに生じる、スチックによる計測の誤差の取り扱い方である。
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