研究課題/領域番号 |
09355017
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
稲森 悠平 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (10142093)
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研究分担者 |
林 紀男 千葉県立中央博物館, 環境科学研究科, 学芸研究員 (60250156)
松村 正利 筑波大学, 生物化学系, 教授 (50015781)
高橋 力也 東京農業大学, 農学部, 教授 (20154883)
須藤 隆一 東北大学, 工学部, 教授 (70109916)
水落 元之 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (50260188)
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キーワード | 水環境修復 / 排水処理 / 有用微生物 / 機能強化 / モノクローナル抗体 / 輪虫 / 貧毛類 / 大量培養 |
研究概要 |
本研究では、浄化分解能の高い機能強化有用微生物の分離、大量培養法の確立とこれらの有用な細菌、原生動物、微小後生動物の胞子化、発芽のための適正条件および増殖促進因子の解明とその製剤化のための実用化研究を行うことを目的として開発研究を推進することとなっている。平成9年度における研究実績の概要は以下に述べるとおりである。 有用微生物としては、水の透明化に貢献する輪虫類、汚泥の減量化に貢献する貧毛類、生物学的硝化・脱窒に貢献する硝化細菌・脱窒細菌等の中で重要な種として輪虫類Philodina属、貧毛類Aeolosoma属、硝化細菌Nitrosomonas属、Nitrobacter属についての分離培養と環境因子との関連の特性を解明することができた。また、排水処理の窒素除去プロセスにおいて大きな役割を演ずる硝化細菌Nitrosomonas属、Nitrobacter属の大量培養手法の操作条件の最適化の基礎的知見が得られた。また、両者の硝化細菌に対するモノクローナル抗体をそれぞれ3種および4種を獲得することができ、モノクローナル抗体を用いた硝化細菌の生物処理反応槽における機能解析の基盤を得ることができた。更に、輪虫類のPhilodina属の高密度定着化と処理水の透明性向上に関する解析を行った結果、Philodina属の体長である300μm以上の平均孔径の担体を充填することにより、1cm^3の担体あたり1万個体以上の生息密度を保持することが可能となり、処理水の透明性の著しい向上とろ過捕食能強化によるバイオマス減量化に貢献することを明らかにすることができた。また、貧毛類Aeolosoma属は輪虫類Philodina属と共存することにより懸濁物のろ過と凝集体の捕食分解も大きな効果が発揮されるが、この効率化においても担体の効果の大きいことが明らかとなった。
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