研究課題/領域番号 |
09355020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八尾 健 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)
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研究分担者 |
梶原 浩一 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (90293927)
内本 喜晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (50193909)
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キーワード | 燃料電池 / 水溶液合成 / 固体酸化物型燃料電池 / ジルコニア / 酸化マンガンランタン / 酸化コバルトランタン / 酸化クロムランタン / 酸化鉄ランタン |
研究概要 |
固体電解質型燃料電池は、高出力、高効率変換が可能であり、将来火力発電に代わりうる大電力生産のシステムとして期待されている。固体電解質型燃料電池は、セラミックからなる燃料極、電解質、空気極の三層が、サンドイッチ状に重なった構造を有する。電池の実用化のためには、高効率化、高集積化、軽量化等が必要であり、これら材料を薄膜の形態で使用することが求められている。水溶液中から直接結晶を析出させる水溶液合成法は、大きな面積や複雑な形状を持つ基板への追従性及び膜の均質性に優れ、常温、常圧プロセスであるため特殊な装置を必要とせず、また低コストである等の長所を有する。本研究では、水溶液合成法の機構等の精密な解析を行い、水溶液からの薄膜合成に適用し、固体電解質型燃料電池を作製することを目的とした。Na_2ZrF_6を水に溶解、あるいはZrO_2をHF水溶液に溶解させて、ジルコニウムを含むフルオロ錯体水溶液を作成し、F-イオンと安定な化合物を生成するホウ酸を添加して化学平衝を移動させることにより、ZrO_2結晶の薄膜を液相から作製できることを明らかにした。また、焼成して作製したLaCrO_3、LaMnO_3、LaFeO_3、あるいはLaCoO_3をHF水溶液に溶解し、これにホウ酸を添加することにより、各希土類遷移金属系ペロブスカイト型酸化物結晶の液相からの生成が可能であることを明らかにした。ZrO_2の場合と同様、フルオロ金属錯化合物の加水分解反応によると考えられる。基板の表面処理、浸漬期間及び温度、並びに添加ホウ酸量と、生成結晶の状態との関係を、購入した環境制御型電子顕微鏡等により明らかにした。
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