研究課題
基盤研究(A)
Cu-Al-Mnのβ相には、A2/B2/D0_3/L2_1間の規則-不規則変態、それらの間の相分離、さらにL2_1相内の磁気変態等興味深い様々な現象が存在する。本研究は、これらの相変態を複合的に利用することにより、従来に無い新しいタイプのCu基合金の開発を目指すものであり、高強度材料、形状記憶合金および巨大磁気抵抗薄膜材料をターゲットとした研究をおこなう。本年度は、主にCu-Al-Mn合金に様々な添加元素を加えた場合の影響について調査した。得られた結果は、以下の通りである。(1)β相中のB2相、D0_3相およびL2_1の安定性について A2/B2変態点は、CoやNiの添加により大きく上昇し、B2/D0_3(L2_1)変態点は、SnやSbの添加により上昇することが判明した。(2)β相中のD0_3+L2_1相分離領域の存在域について TiやVの添加により上昇するが、2相域の幅は、いずれの添加元素によっても小さくなることがわかった。これは磁気変態温度が低下することによる。(3)合金の加工性およびマルテンサイト変態温度について AuやSiを除くほとんどの合金元素が、その変態点を低下させることがわかった。また、完全に固溶する場合に比して、析出物を生じる場合は加工性が著しく低下する。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)