研究課題/領域番号 |
09355023
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
前田 弘 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00281981)
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研究分担者 |
太田 昭男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授
渡辺 和雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30143027)
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
張 平祥 東北大学, 金属材料研究所, 客員助教授
MUSTAFA Yavu 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00302216)
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キーワード | 酸化物高温超伝導体 / Bi2212 / Bi2223 / 添加効果(V,Ir,Fe) / 高温超伝導線材 / 臨界電流密度Jc / ピン止め点 / PIT(Agシース)法 |
研究概要 |
1. 前年に引き続き、優れた添加効果を示すV添加について詳細に調べ、一応の結論に達した。 (1)VはBi2223相には固溶しなく、最終的にはSr_6V_2O_<11>の微細な酸化物として析出分布するが、Bi2223相の生成過程では、Bi2212相の融点を下げ、融液中に溶け込みBi2223相の生成を促進する重要な役割を果たしている。(2)Bi系超伝導粉末をAgパイプに充填して加工、線引するAgシース法で単芯線、多芯線(19芯)を作製し、臨界電流密度Jcについて検討した結果、多芯線において、V添加が極めて有効で、Bi2223相の生成をより一層促進するためにJcが向上する。特に77KでのJcの向上が著しく、何らかのピン止め点の導入が示唆された。 2. Vとは異なる添加効果を示す、IrとFe添加効果について調べた。IrはBi2223相に固溶せず、微細な酸化物として析出分布するが、Bi2223相の生成促進には関与しないため、Jcの向上は認められない。またFeはBi2223相に固溶し、多量に添加すると臨界温度TcやJcの低下は著しいが、微量添加領域では、77KでのJcの向上が認められ、何らかのピン止め点の導入が示唆された。 3. 高濃度Pb(0.6)添加Bi2212相の相生成を組成、焼成条件を変えて調べ、その最適化を図り、その結果をもとにAgシース線材を作製し、Jcの向上を図っている。
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