研究課題/領域番号 |
09355030
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50093076)
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研究分担者 |
川崎 雅司 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90211862)
吉本 護 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20174998)
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70011187)
高見 誠一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40311550)
久保 百司 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90241538)
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キーワード | エレクトロニクス材料 / 酸化物人工超格子 / 原子レベル設計 / 量子ドット / α-Al_2O_3 / MgO / 結晶成長シミュレーション / MOMODY |
研究概要 |
酸化物は、高温超伝導や巨大磁気抵抗などの発見に見られるように、半導体にはない様々な物性を発現し、次世代のエレクトロニクス材料として大きな期待が集まっている。これらの酸化物結晶の機能発現には、その構造制御が重要な鍵となる。半導体の超格子構造ならび量子ドット構造は特異な電子状態をとることが理論的に予測され、高効率の発光素子として有望視され大きな注目を集めているが、その作製法は全く確立されていなかった。そこで本研究ではこの量子ドット構造の作製法および形成メカニズムに関して、我々の開発した結晶成長シミュレ-ションプログラムMOMODYを用いて酸化物であるMgO薄膜の成長過程の検討を行った。 薄膜成長時の基板が成長様式に与える影響を評価するためα-Al_2O_3(0001)面上へのMgOの堆積過程を検討したところ、MgOはα-Al_2O_3(0001)面上に量子ドット構造を形成して、さらに高い結晶性を有していることが明らかとなった。さらにこの量子ドット構造を詳細に検討すると、MgO量子ドットは基板とのマッチングの関係上(111)配向をとっているが、MgOの(111)面は極性面であり不安定であるため、形成されたMgO量子ドットは(001)面や(011)面を露出させていることが解明された。従って、このような面方位による安定性の違いを利用することにより量子ドット構造の形成が可能であることが解明され、次世代エレクトロニクス材料としての酸化物の結晶成長における基板の重要性が明らかとなった。
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