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1998 年度 実績報告書

メタン等のC-H結合活性化を経る新合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09355031
研究機関九州大学

研究代表者

藤原 祐三  九州大学, 工学研究科, 教授 (10029481)

研究分担者 鈴鴨 剛夫  住友化学工業株式会社, 研究主幹
長田 憲典  九州大学, 工学研究科, 助手 (40264080)
谷口 裕樹  九州大学, 工学研究科, 助手 (50217139)
北村 二雄  九州大学, 工学研究科, 助教授 (00153122)
キーワードメタンより酢酸合成 / バナジウム化合物 / メタンの液状化反応 / ヘテロポリ酸 / 酢酸パラジウム / カルボン酸 / 一酸化炭素 / C-H結合活性化
研究概要

本年度は次の三つの新反応について検討し,予期した成果が得られた。
1. メタンとCOより酢酸合成
種々のV化合物を用いて触媒活性を検討した結果,VO(acac)_2やVOSO_4が触媒として活性が高いこと,酸化剤としてはK_2S_2O_8がよいこと,溶媒としては水でも反応は進行するが,CF_3COOHが最もよいこと等が明らかになった。例えば,VO(acac)_2/K_2S_2O_8/CF_3COOH触媒系を用いてメタン(5気圧)とCO(20気圧)をオートクレーブ中,80℃で20時間反応させると,酢酸がメタン基準で93%収率(TON:18)で得られた。この結果は,これまでの最高収率であり,現在工業化を目指して,酸化剤のK_2S_2O_8を安価な酸素に替えて反応を検討中である。また,反応機構の解明のために^<13>C同位体の^<13>CH_4や^<13>CDを用いて反応を行い,酢酸はメタンとCOより生成することを確認した。
2. メタンから酢酸エステルの合成
メタンの液状化(例えばメタノールへの変換)は工業的に重要な課題の一つである。そこで,種々の触媒を用いてメタンのエステル化反応を検討した結果,V含有ヘテロポリ酸が触媒として高活性を有することがわかった。例えば,H_5PV_2Mo_<10>O_<40>/K_2S_2O_8/(CF_3CO)_2O/CF_3COOH触媒系を用いてメタン(10気圧)を80℃で20時間反応させるとトリフルオロ酢酸メチルがほぼ定量的に得られた。このメチルエステルは加水分解により容易にメタノールとCF_3COOHを与えるので,メタンからメタノールを2段階で合成できることになり,本反応は工業的に重要である。
3. 芳香族化合物とCOにより芳香族カルボン酸の合成
Pd(OAc)_2/K_2S_2O_8/CF_3COOH触媒系により,ベンゼン,トルエン,クロルベンゼン,アニソール,ナフタレン等の芳香族化合物がCOにより,常温常圧という極めて温和な条件下でカルボキシル化され芳香族カルボン酸を高収率で与えることを見いだした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Asadullah: "Direct Carbxylation Reaction of Methane with CO bya Y_6(DAC)_3/Mn(DAC)_2/NaClO/H_2O Catalytic System under very Mild Condiotions" Applied Organometallic Chemistry. 12. 277-284 (1998)

  • [文献書誌] Y.Fujiwara: "Transition Metal Catalyzed Acetic Acid Synthesis from Methane and Carbon Monoxide" Stud.Surf.Sci.Catal.119. 349-353 (1998)

  • [文献書誌] D.Piao: "An Efficient Partial Oxidation of Methane in Trifluoro-acetic Acid using Vanadium-Containing Heteropolyacid Catalysts" J.Organometallic Chemistry. 574・1. 116-120 (1999)

  • [文献書誌] W.Lu: "Palladium(II)-catalyxed Carboxylation of Benzene and other Aromatic Compounds with CD under very Mild Conditions" J.Organometallic Chemistry. in press. (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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