研究課題/領域番号 |
09355032
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
加藤 晋二 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021589)
|
研究分担者 |
竹内 寛 富士写真フィルム足柄研究所, 研究員
小島 哲郎 富士写真フィルム足柄研究所, 主任研究員
御舩 博隆 富士写真フィルム足柄研究所, 主任研究員
神田 貴宏 岐阜大学, 工学部, 助手 (30234157)
村井 利昭 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70166239)
|
キーワード | カルコゲノカルボン酸 / カルコゲン原子 / カルコゲノエステル / セレノエステル / セレノチオエステル / ジチオカルボン酸塩 / チオカルボン酸アルカリ金属 |
研究概要 |
重アルカリ金属チオおよびジチオカルボカルボキシレートおよびセレノチオカルボン酸-S-エステルの合成と構造を検討し、以下の成果を得た。 1.重アルカリ金属チオカルボキシレート 一連の芳香族チオカルボン酸のカリウム、ルビジウム、セシウム塩を合成・単離できた。X線構造解析から2つの金属カチオンを共有した二量体構造であり、チオカルボキシル基のC-OおよびC-S距離はそれぞれ二重結合と単結合を示し、陰電荷が硫黄上に局在化した構造をとっていると見られた。 2.重アルカリ金属チオカルボキシレート 一連の芳香族重アルカリ金属チオカルボキシレートを合成・単離し、X線構造解析を行った。ナトリウム塩は単量体であるが、カリウム、ルビジウムおよびセシウム塩は2つの金属カチオンを共有した二量体である。ナトリウムとカリウム塩はジチオカルボキシルの二つのC-S結合距離が異なり単結合と二重結合距離を示し、陰電荷は単結合で結ばれた硫黄上に片寄っていると見られる。一方ルビジウムとセシウム塩のそれらはほぼ等距離で、単結合と二重結合の中間の値を示し、陰電荷はジチオカルボキシル基上に非局在化していると見られた。 3.セレノチオカルボン酸-S-エステルの合成と構造 一連のセレノチオエステル(RCSeSR')を40-80%の収率で合成・単離できた。熱および酸素に対し比較的安定な結晶または油状物質である。またα-位にPh^3Si基をもつセレノチオエステルのX線構造解析からC-Se結合距離は1.78-1.79Åで、セレノケトンのそれらに近い値を示した。
|