研究概要 |
1. セレノチオカルボン酸重アルカリ金属塩の合成と構造 セレノチオカルボン酸カリウム、ルビジウム、セシウム(RCSeSM,M=K,Rb,Cs)を18-Crown ether 付加体として40-65 %の収率で合成・単離できた。熱および酸素に対し比較的安定な結晶である。また個体のUV-VisスペクトルおよびX線構造解析からC-Se結合距離は二重結合性を有していることが明らかとなった。 重アルカリ金属チオおよびジチオカルボカルボキシレート 2. 重アルカリ金属チオカルボキシレート 一連の芳香族チオカルボン酸のカリウム、ルビジウム、セシウム塩を合成・単離できた。X線構造解析から2つの金属カチオンを共有した二量体構造であり、チオカルボキシル基のC-OおよびC-S距離はそれぞれ二重結合と単結合を示し、陰電荷が硫黄上に局在化した構造をとっていると見られた。 3. チオ及びセレノカルボン酸希土類金属錯体の合成と構造 チオ及びセレノカルボン酸希土類金属錯体 {(RCOS)_3M(thf)_2 及びNa(thf)M(RCOS)_4, M=lanthanide metal)を55-90 %の収率で合成・単離できた。熱および酸素に対し比較的安定な結晶である。X線構造解析からCOSおよびCSS基は何れもbidentateとして作用している。反応性は遷移金属錯体としてよりアルカリ金属塩に近いと見られた。
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