研究概要 |
1.堆積限界速度域における固体粒子の挙動に着目し,「輸送速度の減少に伴い,粒子はどのよう変化をたどって,管路低に堆積していくか」という問題について,ストロボビジョンスコープシステムを用いた画像解析により検討した。その結果,その速度域における粒子挙動は粒子径および輸送管の傾斜角に大きく支配されることを確認した。 2.正確な水力勾配を算出し得る計算モデルについて検討し,流動様式を張り角θによって評価し、計算モデルに分配係数kを導入して実験データを解析すると、従来の計算式に比べて精度の高い水力勾配の値を計算し得ることが明らかとなった。 3.Huntの拡散理論に基づいて混合粒子径スラリーの管内濃度分布を解析し、その解析結果を、画像解析システムによって実測した管内濃度分布に比較し、計算手法ならびにデータ解析について検討した。検証実験に使用した試料は、比重が1.28のクルミの殻の破砕片と比重2.65の川砂であり、粒子径はそれぞれ、0.171mm,0.155mmである。その結果、本研究で提案した、混合粒子径スラリーの濃度分布の計算モデルを用いると、実測値を十分な精度で算定し得ることが明らかとなった。 4.サスペンジョン流動の特性に及ぼす輸送条件の影響を解明するため,粒子運動応答波形と代表周波数を表示させたパワースペクトルについて検討した結果、圧力信号波形に最も顕著な影響を与える因子は、粒子径であることを明らかにした。 5.下水汚泥焼却灰成型タブレットの物理特性ならびに水中動特性を実験的に調ベ,新たなパイプライン輸送システムについてフィージビリティ・スタデイを含め,検討した。
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