研究課題
基盤研究(A)
本研究は、水源涵養機能を発揮する森林整備指針を気候、地質による地域別に、主要林分を毎に提示することを目的としている。研究は、(1)東大愛知演習林の70年間にわたる水文資料の解析、(2)東大千葉演習林における対照流域試験の実施、(3)降雨、流出から見た全国の地域区分と水文特性の解析、(4)森林施業マニュアルの構築に向けたモデル開発からなる。本年度の研究は、(1)について、流況曲線の年々変動が流況曲線の部分によって、その年の最大日雨量の大小に関係する部分、年雨量に関係する部分、いずれとも強い関係を持たない渇水流量部分からなることを明らかにするなど、新しい知見を得た。また、過去の水文資料のコンピュータへの入力、データベース化が進められた。(2)について、実際に森林を伐採して水循環に対しての影響を評価する試験が準備され、次年度に伐採予定となった。土壌水分、地下水位、水質の観測も含め伐採前の事前調査が詳細に進められた。(3)について、全国の既往水文資料を収集し、地域ごとの洪水流出、基底流出の特性に関する解析が進められた。(4)について、「水源涵養と森林施業」を論ずる会議を4回にわたって開催し、森林整備指針の作成についての基本構想の深化を図った。
すべて その他
すべて 文献書誌 (2件)