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1997 年度 実績報告書

魚介類ゲル化食品の製造における最適化技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09356005
研究種目

基盤研究(A)

研究機関北海道大学

研究代表者

関 伸夫  北海道大学, 水産学部, 教授 (20002090)

研究分担者 熊澤 義之  味の素(株), 食品総合研究所, 研究員
埜澤 尚範  北海道大学, 水産学部, 助手 (20221484)
キーワードゲル化食品 / ねり製品 / トランスグルタミナーゼ / 坐り / 戻り / アクトミオシン / コイ / サケ
研究概要

淡水魚(コイとサケ)をもちいてアクトミオシンの熱ゲル化の最適条件を動的粘弾性、破断強度の変化から検討した。両魚とも加熱ゲル形成能が低く、坐りに対する応答がなかった。坐りは30℃で、4時間の加温が最適であったが、実用レベルの坐り効果は得られなかった。そこで、トランスグルタミナーゼ(TGase)を添加したところ、添加量に応じたミオシンの架橋重合が導入され坐りの効果とゲル強度の著しい増強が得られた、コイでは、筋原繊維結合型のプロテアーゼによる戻りも起きることを明らかにした。この戻りはプロテアーゼ阻害剤(E64とアブロチニン)で効果的に抑制された。しかし、53℃でおきる非プロテアーゼ性の戻りは両魚種共に起きたが、TGase添加の効果はなかった。コイとサケではサケの方がアクトミオシンの熱ゲル化能が高く、またTGaseによる架橋重合を受けやすいことから、原料魚として優れていることがわかった。
魚と微生物由来のTGaseの魚類筋原繊維タンパク質に対する作用の違いを検討したところ、魚TGaseはミオシンに特異的に作用し、ミオシン分子のS2部位で架橋形成が開始されることを明らかにした。微生物TGaseはミオシンを良く架橋重合するが、さらにコネクチンを架橋重合し、またコネクチンとアクチン間にも共重合体を形成できることから、架橋重合能に優れていた。
ホタテ貝の貝柱筋の加熱ゲル形成能は低く、坐り加熱ゲル化しないことから、かまぼこ形成能がなかった。ホタテ貝柱中にはTGase活性が高いが、坐り加熱過程では全く作用していないことを見いだした。ホタテのTGaseの酵素的性状を検討したところ、NaClで著しく活性化されることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] N.Seki: "Dimerization site on carp myosin heavy chains by the endogenous transglutaminase" Fisheries Sci.64・2(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] S.Ni: "Effect of microbial transglutaminase on the thermal gelation of carp actomyosin sol" Fisheries Sci.64・3(受理済). (1998)

  • [文献書誌] H.Nozawa: "Partial purification and characterization of six transglutaminases from ordinary muscles of various fishes and marine invertebrates" Comp.Biochem.Physiol.118B・2. 313-317 (1997)

  • [文献書誌] Y.Kumazawa: "Purification and characterization of transglutaminase from Japanese oyster" J.Agric.Food Chem.45・3. 604-610 (1997)

  • [文献書誌] Y.Kumazawa: "Purification and calcium dependence of transglutaminases from sheep hair follicles" Biosci.Biotech.Biochem.61・7. 1086-1090 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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