研究課題/領域番号 |
09357008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山崎 克人 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (50210381)
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研究分担者 |
吉田 祥二 高知医科大学, 医学部, 教授 (20030869)
松井 純爾 姫路工業大学, 理学部, 教授 (10295751)
安藤 正海 高エネルギー研究所, 教授 (30013501)
杉村 和朗 神戸大学, 医学部, 教授 (00136384)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | Super High Resolution CT / 超高空間分解能 / 放射光 / 位相画像 / X線スペクトロスコピー |
研究概要 |
現在の臨床用CTは空間分解能がHigh Resolution CTで0.5mmといわれている。しかし肺の構造物としては肺胞の0.2mmの構造が観察不可能である。本研究ではこの空間分解能0.5mmの限界を超えて現在の科学技術で可能なかぎり高い分解能をえることを第一の目標とした。第一の目標としては従来のX線源を用いて検出器系の工夫により空間分解能を改善することを目標とした。そのために透視装置に使っているX線源を用いて検出器側の分解能を0.1mmまで改善した。 次に超高分解能の画像を得るためには画像再構成に必要なワークステーションの能力が可能なかぎり高速でメモリーの容量の大きなものを用いた。そのために演算時間はある程度犠牲にしたが、そのために第一段階として空間分解能が0.1mmのCT画像を得ることが出来た。またこの画像システムの特徴としてaxialのみならずcoronal,sagitalの像も得ることが出来た。このシステムを用いて臨床画像も得ることができた。症例は特に肺癌と肺繊維症を用いたが、空間分解能に非常に優れた画像が得られた。これについては世界初の成果である。このシステムはHigh Resolution CTを越えてSuper High Resolution CTとよぶことが可能と考えられる。 次の段階としてはX線源として理想に近い放射光を用いた。本研究では放射光の平行性を用いて物質の境界線で生じる屈折現象を利用して位相画像を得ることに成功した。とくに検出器系に精度の優れたシリコンの単結晶を用いることにより、屈折のみの画像を得ることができた、これについても世界初の成果である。 次にX線のスペクトロスコピーを用いて2次元画像を得た。これについてはまだ初歩的な段階であるが生物資料については空間分解能が0.1mmとかなり高く、しかもZnやCa、K等の元素について画像を得ることができた。 以上、本研究によりSuper High Resolution CT、放射光による屈折コントラスト画像法の開発、X線スペクトロスコピック画像法の臨床応用の可能性が開かれた。
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