研究課題/領域番号 |
09357013
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
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研究分担者 |
白土 邦男 東北大学, 医学部, 教授 (80004761)
小柳 仁 東京女子医科大学, 教授 (90138884)
松田 暉 大阪大学, 医学部, 教授 (00028614)
人見 滋樹 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (80173186)
加藤 治文 東京医科大学, 教授 (20074768)
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キーワード | 肺移植 / 心肺移植 / 適応拡大 / 肺・心肺保存 / 移植後肺水腫 / 心停止ドナー |
研究概要 |
1. 肺および心肺移植における適応拡大に関する研究 慢性肺気腫症例に対するvolume reduction surgeryの成績の検討から、その生命予後における有用性が示され(白土)、肺移植の適応とはならない高齢者における対症的な治療法としての根拠が明らかにされた。また、肺移植の適応と判断された患者の予後調査の結果、特発性肺線維症、肺リンパ脈管筋腫症、閉塞性汎細気管支炎、肺気腫の中では特発性肺線維症に適応となる症例が多く見いだされた(泉)。原発性肺高血圧症に対しては、プロスタサイクリン療法の有効性が示され、移植までのブリッジ療法となる可能性が示された(中谷)。 2. 基礎的な研究 1) ドナーソースの拡大 近年はドナー不足のため生体部分肺移植の症例が増加しているが、肺葉移植における必要最低限の肺容量は明らかではない。この限界を明らかにするため、イヌを用いた部分肺移植の研究が開始された(清水)。 2) 異種間肺、心肺移植 異種動物からの移植は同種間肺移植に比して免疫学的な障壁が極めて高く、移植肺の生着には多くの問題が残されているが、ドナーとして未成熟な胎児器官に対しては拒絶反応が弱いことが示され(加藤)、そのメカニズムの解明により異種移植の実現性が期待される。また、異種移植後の免疫抑制法として、脾臓の摘出とFK506、メントレキセートの投与を行い、ニホンザル、ヒヒ間の移植において生着の大幅な延長が報告された(高本)。 3) 肺移植および心肺移植後の患者管理に関する研究 移植後早期にみられるreimplantation responseにおける血小板の関与の重要性が示された(藤村)。拒絶反応の制御に関しては、漢方薬から抽出された雷公藤の強力な免疫抑制作用が明らかとなり (小柳)、さらに遺伝子導入を応用した基礎的な検討においてその有効性が示された(松田)。
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