研究課題/領域番号 |
09357015
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 秀敏 東北大学, 医学部付属病院, 講師 (00202896)
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研究分担者 |
小玉 哲也 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40271986)
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (40006193)
吉本 高志 東北大学, 医学部, 教授 (50091765)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 動脈硬化 / 閉塞性脳血管障害 / 光力学的治療 / 音響化学療法 / 超音波増感剤 / ソノルミネッセンス / 励起蛍光スペクトル / cerebrovascular diseases |
研究概要 |
動脈硬化に由来する閉塞性脳血管障害に対する光力学的療法および音響化学療法を検討するために動物モデルを用いて、その治療効果を検討してきた。光力学的治療においては独自に開発したバルーンカテーテルを用いてファイバー導光した励起レーザー照射を行い動物モデルにおいて動脈硬化組織の著明な縮小効果を報告するとともに光力学的診断という動脈硬化組織の組織学的特徴を反映した質的診断の可能性も報告した。本年度は臨床応用をはかるため閉塞性脳血管障害に対する血管内治療の一つであるバルーンによる血管形成術およびステントによる血管形成術のバリエーションとして臨床用のシステムを開発してきた。今後臨床応用を行う予定である。一方、集束超音波照射による音響化学療法の検討については前年度よりin vitroの実験系において超音波増感剤としてヘマトボルフィリン誘導体、ダウノルビシン、ドキシサイクリンなどの薬剤が超音波励起を受けることを証明するとともに、その超音波励起のメカニズムとして集束超音波によるキャビテーション発生時に生じるソノルミネッセンスを介する二次的な光力学的機序が関与することを報告した。さらに、ドキシサイクリンにおいてはキャビテーション発生時に生じる酸素種ラジカルの関与も強く示唆された。また、動物モデルにおいてドキシサイクリン投与下に音響化学療法を行ったところ、動脈硬化組織に集積したドキシサイクリンは励起されており経時的に動脈硬化組織の縮小効果を認めた。さらに、集束超音波(衝撃波)の物理的作用の臨床応用として前年度にも報告した衝撃波血栓溶解術に関しては今まで衝撃波発生源として使用していた微小火薬が臨床応用の面では問題となることよりパルスレーザー照射により衝撃波を得る系システムを作製した。人工血栓を用いた実験系においては良好な血栓溶解効果を示しており臨床応用に着手する予定である。これらの一連の基礎実験を報告した。
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