水泳競技のレース分析に関する国内外の先行研究資料を収集・整理し、指導現場へのフィードバックシステム開発に関わる基礎的検討を行った。 また、一流水泳選手が出場する全国規模の競技大会において、2台の小型カラーハイスピードビデオカメラ及び5台のビデオカメラを用いて、レースの模様を全て撮影した。映像は、公式のスタート信号と同期して記録されており、泳者の1ストローク当たりの進む距離であるストローク長(m/stroke)と単位時間当たりのストローク数であるストローク頻度(stroke/min)を求めて、分析を行った。 レースは、スタート動作局面(0〜10m)、ターン動作局面(ターン前5mからターン後7.5m)、ストローク動作局面(スタート、ターン及びフィニッシュ局面を除く)、そしてフィニッシュ動作局面速度および前後半のストローク長とストローク頻度がデータとして、選手一人一人について分析提示される。 これらのデータは、一般的には、競技後の通常の水泳指導現場にフィードバックされるが種々検討の結果、競技現場において分析後、データで即時にフィードバックされるシステムが構築され、競技会での予選のレース分析データを、同日午後の決勝レースまでに処理して指導現場に提供する、さらに決勝での分析結果をその日の内にフィードバックすることが可能であることが実証された。
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