本年度の研究目的は、1)過去数年間の個人データベースのネットワーク化を図り、個人データの数年間に渡る比較を瞬時に行えるように試みること、2)大会期間中に会場内にて、プライベートLANを構築し、パーソナルコンピュータを設置してレース分析データの即時フィードバックを試みること、3)各個人のレース分析結果から、競技力向上に必要と考えられる問題点の指摘を可能とする能力評価に関する研究資料を得ることであった。 過去5年間のレース分析結果の個人別データベース化においては、インターネット上で閲覧可能なデータベースシステムとしての構築が完成し、加えて個人名、種目、大会などのキーワード入力により、個人データの数年間の比較、または選手間の比較を瞬時に行えるようになった。また、シドニーオリンピック代表選手選考会時には、会場にプライベートLANを構築し、3台のパーソナルコンピュータを設置することで、レース分析データの即時フィードバックに成功した。つまり、選手や指導者は、大会期間中に、レース分析のデータを簡単に検索することができるとともに、過去の個人データとの比較および他選手との比較も容易にできることになった。これによって、たとえば、予選のレース分析結果を決勝のレース展開に活用することや今後の競技力向上のための基礎資料として活用することも可能となった。また、これまでのレース分析データからスタートやターンの問題点などが指摘できるように、各選手の能力を評価できる基礎的資料を作成した。
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