研究概要 |
(1) 昨年度に引き続き,OS/omicronの実用化を向かって,システムリファインメントを主に実行した.特に,システムの中核であるマイクロカーネルについて,上位のアプリケーションからの要求に従い,デバックおよび機能の安定,APIモデルの見直しを行い,信頼性を向上させた. (2) 今日のシステムソフトウェアの重要な要素である,TCP/IPインターネットワーキングについて,この機能を提供するプロトコルスタッフを実装した.これにより,インターネットを介したネットワークプログラミングの研究,教育が可能になった. (3) システム記述言語として用いているC++言語処理系について,コード生成の安定化および高速化を行った. (4) 安定した稼動システムを作成,配布するために,システム全体を構築するビルド環境を整え,試験的に開発関係者に対して,1か月単位でCD-Rを作成・配布する環境を構築した. (5) 開発指向の履歴ファイルシステムについて,V4システム上で統合し,複数のファイルシステムを追加可能なAPIを設計,実現した.これにより,ユーザが,実験的に複数のファイルシステムを,追加可能になった. これにより,システムの基礎部分から,ネットワーク環境まで,より広い範囲でのシステム教育が可能な環境が整い,複数のPC/AT互換機環境での動作検証を行った.この上でネットワークツールおよび,教育用ツールなど,各種応用ソフトウェアが稼働中である.
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