研究課題/領域番号 |
09358006
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大田 友一 筑波大学, 機能工学系, 教授 (50115804)
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研究分担者 |
佐藤 清秀 (株)エム・アール, システム研究所・第一研究室, 研究員
山本 裕之 (株)エム・アール, システム研究所・第一研究室, 室長
中村 裕一 筑波大学, 機能工学系, 助教授 (40227947)
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キーワード | コンピュータビジョン / 3次元ビデオカメラ / ビデオレートステレオ / 多眼ステレオ法 / 実時間ステレオ法 / アルゴリズム統合 |
研究概要 |
我々は、平成6〜7年度に実施した試験研究「受け手の動きに適応した運動視差を再現できる高臨場感3次元画像伝送システムの開発」において、多眼ステレオ法によって撮影した情景の3次元情報を用いて、観察者の動きに応じて任意視点からの画像を生成して提示することにより、非常に臨場感の高い画像提示を可能にする方法を開発した。この多眼ステレオ法は、受動的に撮影した画像から情景の3次元情報を復元できるものであるが、換言すれば、情景のカラー情報と3次元情報を同時に撮影できる「3次元写真術」であると考えてよい。 これに対して、本基盤研究では「3次元ビデオカメラ」の試作開発を目的として研究を推進した。写真とビデオカメラの違いは、言うまでもなく実時間性である。我々が先に開発したアルゴリズムでは、高速のワークステーションを用いても1フレームの撮影に数分を必要とする。これに対して、毎秒25〜30フレームの撮影が可能な現状の(2次元)ビデオカメラと同等の実時間性を持ち、カラー情報だけでなく3次元情報の撮影が可能な3次元ビデオカメラ方式を開発し、我々が先に開発したアルゴリズムによって実時間ステレオの実現が可能であることを実証した。 成果の要点は、隠れ処理を行わずに高速に視差を生成するアルゴリズムと、高度の隠れ処理を行い高精細な視差情報を生成するが比較的低速のアルゴリズムと並列に動作させ、実時間処理の枠組みの中で統合する技術の開発、および、近年高性能化が著しいPentium プロセッサ MMX アーキテクチャを有効に活用した、アルゴリズム改変への柔軟性の高いステレオコア演算方式と映像データ制御方式の開発によって、高精細3次元ビデオカメラの実現可能性を示したことである。
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