研究概要 |
本研究では化学エネルギーを熱に変換する従来の燃焼法を改め,燃焼過程中に価値の高いエネルギーを直接抽出する方法の中で特に力学エネルギーに注目して等温膨張燃焼による熱を経由しない変換方法の実現を(1)定常燃焼系,(2)間歇燃焼系について理論解析と実験研究を実施し,次のような成果を得た. 1. 等温膨張燃焼の理論解析においては実際の燃焼現象を反映できるようアレニウス型反応速度を考慮し,温度,流速,流路の断面積と長さ等をパラメータとして1次元解析を行い,等温膨張燃焼が成立する範囲(クライテリア)を示し,実機のエネルギー機器に適用する条件を明らかにした. 2. 等温膨張燃焼を採り入れたガスタービンサイクルの理論計算を行い,タービン入口最高温度を制限しても高い変換効率が得られることを明らかにし,複合サイクルガスタービン技術開発の新しい指針を得た. 3. 等温膨張と断熱膨張を組み合わせることによってガスタービン単独でも高い効率が実現出来ることを明らかにした. 4. 上記のガスタービンサイクルのエクセルギー解析を行なった.燃焼過程中に生成される高価値エネルギーによってエクセルギーが再生されるため非常に高いエクセルギー効率を実現することが出来た 5. 間歇燃焼による往復動内燃機関への適用に関してはガソリン層状給気燃焼場における実験および理論解析を通じて熱エネルギーを効率よく仕事に変換出来ることを明らかにした. 6. これらの燃焼方式の内燃機関では未燃分排出性能を低下することなく,NOX排出を低減することが出来た
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