研究分担者 |
丸尾 雅啓 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (80275156)
中山 英一郎 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50108982)
鈴木 款 静岡大学, 理学部, 教授 (30252159)
木村 伸吾 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90202043)
杉本 隆成 東京大学, 海洋研究所, 教授 (40004428)
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研究概要 |
本研究は、海洋における生物生産、食物網および有機物の分解過程などの主要な生物過程に深く関わる海水中のアンモニアをリアルタイムで検出する現場型自動連続計測装置を試作し、ブイとの一体化による海洋計測システムの実用化を計るのを目的とする。 しかしながら,アンモニアの試料採取から分析まで,現場で連続的に分析できる計測システムが開発されていないことにある.海水中のアンモニアは極めて微量であること,また極めて酸化されやすいことなどから,分析を困難にしている.現在まで海水中のアンモニアの測定はアンモニアがアルカリ性でフェノールと反応してインド・フェノールを生じ,そのできたインド・フェノールが反応溶液中のニトロプルシッドと反応して.青色の発色を呈し.この色の強さを吸光度計で測定する方法で自動分析計(オートアナライザー)を用いて行われている.この自動分析計は試料を採取した後,試料チューブに試水をセットし,船上あるいは実験室にて測定する方法である.ポンプを使用すれば表層海水の連続測定は可能にはなるが,無人で行うことはできない.本研究では二つの異なる原理に基づく二つのタイプのアンモニア測定装置の開発を検討した.現場型の海水中の硝酸塩分析装置を基本としてアンモニアの測定法に改良すべき化学反応系を検討した.現場型のアンモニア自動分析計試作のためには,試料採取,試薬の混合,測定,廃液排出までのプログラム化と測定器の小型化のためのチューブあるいはコネクター部分の検討を行っている.試薬の反応系に関しては触媒を用いる方法を検討中である.また,もう一つの蛍光法(OPA試薬)による微量高感度アンモニア自動分析計は基本的な化学反応系はすでに検討が終わっている.現在マイクロ化に向けて,試料採取,反応系,蛍光セルの長さ,廃液処理および小型の測定器を海水中に放置するための枠およびシステム化を検討している.
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