研究課題/領域番号 |
09358013
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
遠藤 正彦 弘前大学, 医学部, 教授 (20004616)
|
研究分担者 |
伊東 信 九州大学, 大学院・生物資源環境科学研究科, 助教授 (40253512)
山本 憲二 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70109049)
長谷 純宏 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80028232)
傘 郁子 北里大学, 医学部, 助手 (00184458)
竹川 薫 香川大学, 農学部, 助教授 (50197282)
|
キーワード | エンド型グリコシダーゼ / 糖鎖工学 / 糖タンパク質 / 糖脂質 / プロテオグリカン / 糖鎖切り出し / 糖鎖組み換え / 糖鎖限定分解 |
研究概要 |
1.研究の目的:本研究組織の構成員は、自らエンド型グリコシダーゼを発見した者である。この酵素は複合糖質のタンパク質(または脂質)と糖鎖の結合部位を選択的に分解するという特異性を有する。したがって、この酵素群の主反応とその逆反応の糖転移反応の利用は、新しい糖鎖工学的研究手段となる。本研究はその確立をめざしている。 2.研究の成果:各研究者は、各自と他の研究者の酵素の特異性を比較しながら、糖鎖工学的手法の確立を進めている。1)エンド-β-キシロシダーゼ:プロテオグリカンのペプチドとグリコサミノグリカン糖鎖の結合部位に作用するので、グリコサミノグリカン糖鎖のペプチドへの導入と、ヒアルロニダーゼによる糖鎖の組み換えについて研究が進められている(遠藤・高垣)。2)エンド-β-マンノシダーゼ:N-グルコシド型糖鎖のコア部分のβ-マンノシド結合を分解するので、N-グルコシド型糖鎖の組み換えに利用すべく検討が進められている(長谷)。3)エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ:N-グリコシド型糖鎖のペプチドと糖鎖の結合部位に作用する三種が発見された((エンド-M 酵素、山本;エンド-A 酵素、竹川;エンド-HS 酵素、伊藤)。この酵素により、N-グリコシド型糖鎖の全面的な糖鎖交換と、天然の完全な高分子糖鎖のペプチドへの導入が可能となった。4)エンド-α-N-アセチルガラクトサミニダーゼ;ムチン型糖タンパク質のペプチドと糖鎖の結合部位に作用するので、この酵素により、ムチン型糖鎖の組み換えが可能である(傘)。5)エンドグリコセラミダーゼ;糖脂質の脂質と糖鎖の結合部位に作用する。この酵素により脂質への糖鎖の導入が実現した(伊東)。 3.今後の研究展開:現在、ここにあげられたすべての酵素による糖転移法を確立し、それを一般化することにより広く応用できるように努めている。
|