研究課題/領域番号 |
09359004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30089883)
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研究分担者 |
鈴木 誠 東北大学, 工学部, 教授 (60282109)
喜多村 祐里 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90294074)
佐甲 靖志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20215700)
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キーワード | ミオシン / アクチンフィラメント / 光ピンセット / ガラスニードル / 回転拡散 / 1分子計測 |
研究概要 |
今年度は、エバネッセント光波トラップ中における蛋白質分子の熱ゆらぎを精密に測定するため、機能状態の蛋白質分子の熱ゆらぎの測定法を開発した。 (1)光ピンセット法 アクチン蛋白質フィラメントの両端にビーズを付けて2つの光ピンセットで捕捉・伸展させ、トラップ中でのビーズの回転拡散を測定した。トラップに使うビーズ(直径1ミクロン)に微小蛍光ビーズ(0.1ミクロン)を数個付け、回転運動のマーカーとした。 アクチンフィラメント上を動く分子モーターであるミオシン蛋白質の存在下で、ATPの有無によって回転弾性率は変わらなかったが、回転の振幅は増加した。これは、ATPのエネルギーがミオシンを経由してアクチンフィラメントに渡されたことを意味している。現在、光波トラップによってこの反応を制御することを試みている。 (2)マイクロニードル法 バネ係数が0.1pN/nm程度の非常にやわらかいガラスニードルを作製し、その先端にミオシン分子1個を捕捉する技術を開発した。ミオシンをガラス基盤上のアクチンフィラメントに接触させ、ATP存在下でミオシン分子がフィラメント上を5.5nmのステップで前進・後退する様子を測定することができるようになった。この前進と後退の頻度から、蛋白質分子がバイアスのかかった熱ゆらぎをする様子を知ることができる。現在、レーザー光の輻射圧によってニ一ドルのz方向の熱ゆらぎをフィードバック制御して、5.5nmステップのゆらぎを安定に測定することを試みている。今後、光波トラップ中で同様の測定を行う。
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