研究課題/領域番号 |
09400006
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 眞一 筑波大学, 教育学系, 教授 (10220469)
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研究分担者 |
加藤 毅 筑波大学, 社会工学系, 講師 (10233800)
矢野 眞和 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (30016521)
鈴木 久敏 筑波大学, 社会工学系, 教授 (10108219)
小林 信一 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (90186742)
柿沼 澄男 学術情報センター研究開発部, 助教授 (80290881)
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キーワード | 学術研究環境 / リサーチ・オン・リサーチ / 学術政策 / 研究資金配分 |
研究概要 |
3年計画の初年度にあたる本年は、1.関連する先行研究のレビューおよび再分析、2.個別研究分野の活動実体の把握、をおこない、3.研究活動にかかわるインプットとアウトプットの関連について改めて整理を行った。さらに、これらの成果をふまえた上で、4.来年度に実施予定の調査の内容について検討を行った。 過去十年の間に、学術研究環境の調査は主なものだけでも十件以上行われているが、その多くはインプットのみの質問となっている。そのなかで、研究のアウトプットについても設問を行っている調査(平成6〜7年度科研費総合研究(A)『大学等における研究者の生活時間に関する調査研究』)について再分析を行った結果、人文社会では研究費及び研究時間が研究成果に影響を及ぼし、理工農医歯では研究費及び支援スタッフ数が研究成果を規定しているという結果が得られた。しかしながら、これはあくまで平均値に基づく統計的な傾向であり、個別サンプルベースではばらつきはかなり大きくなっている。研究成果に大きな影響を与えるインフラストラクチャーが全くコントロールされていないこと、論文数ではアウトプット指標として不十分であること、アウトプットが出るまでには時間を要すること、などがその原因として考えられる。 個別研究分野の活動実体の把握については、1.OR分野の代表的な学術論文雑誌7種の過去6年間のデータベースを作成し、当該分野における共同研究の実体等の把握を行った。また、2.化学分野についてサイトビジットを行い、研究費の流れから研究活動の実体まで幅広い項目にわたるフィールド調査を行った。 インプットとアウトプットの関連を分析する上での問題点について議論を行った結果、来年度に行う調査案として、1.定量的な計測が困難なインフラストラクチャーやアウトプットについての自由記述方式による郵送調査、2.過去の科研費(特別推進研究等)受領者を対象とする、インプット及びアウトプットの時系列の推移についての郵送調査、3.政府出資金等により多額の研究費を受領したケースについて個別の聞き取り調査、などについて、現在検討を進めているところである。
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