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1998 年度 実績報告書

埋蔵文化財発掘作業の生体負担解明とその対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09400013
研究機関岐阜大学

研究代表者

井奈波 良一  岐阜大学, 医学部, 助教授 (10168411)

研究分担者 森岡 郁晴  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70264877)
宮下 和久  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
鷲野 嘉映  岐阜大学, 医学部, 助手 (90220855)
高田 晴子  岐阜大学, 医学部, 助手 (90273143)
岩田 弘敏  岐阜大学, 医学部, 教授 (20021371)
キーワード埋蔵文化財発掘作業 / 生体負担 / 皮膚温 / 鼓膜温 / 暑熱 / 寒冷 / 防寒靴
研究概要

平成9年度に購入したWBGT計を用いて、夏期の遺跡発掘作業現場の環境測定を7月下旬の2日間行った結果、調査第1日目の午後および第2日目の午前中のWBGTは、成年の高温熱環境における継続1時間作業および断続2時間作業を基本としたRMR2〜4の中等度作業の許容基準である27.5℃を越えていた。同時に46名の作業者の体温(鼓膜温,腋窩温)および体重の変化、発掘現場における水分摂取量、自覚症状の発現状況等を調査した結果、鼓膜温は作業中上昇し、休憩後下降したことから作業負担を把握するのに有用であることがわかった。第1日目の午後における作業者の体温は、過去に報告された正常値より高くなっていた。体重は、男女で異なった変化を示した。また、腋窩温の変化から,暑さに強い作業者は熱帯地住民と同様な暑熱適応をしている可能性があることが示唆された。また、夏期の遺跡発掘作業を快適に行うための方策のひとつとして寒冷紗の利用を推進することを目的に、7月下旬から8月中旬にかけ模擬発掘現場として医学部のグランドに実際に寒冷紗を張り、寒冷紗下と戸外の環境の相違をWBGT計で観察した。その結果、寒冷紗は日射があるときWBGTを下げ、寒冷紗を張って、その下で作業することは、夏期の遺跡発掘作業を快適に行うために有効であることが示唆された。平成9年度に行った冬期の調査の解析を行った結果、主として作業開始時の寒冷暴露によって血圧の上昇がみられた作業者はみられなかった作業者に比べて手足の皮膚温が低く、防寒靴の使用がこれを阻止するのではないかと考えられた。そこで、防寒靴の使用が手足の冷えの予防に役立つかどうかを明らかにする目的で、平成10年1月、2月に作業者の作業開始前と作業中の自覚症状の発現状況調査と手足の皮膚温を経時的に測定し、現在解析中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 井奈波 良一: "埋蔵文化財発掘調査機関における労働安全衛生管理の実態" 日本災害医学会会誌. 46・12. 747-753 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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