研究分担者 |
リーゼンフーバー クラウス 上智大学, 文学部, 教授 (60053633)
斉藤 寛海 信州大学, 教育学部, 教授 (00020628)
中江 彬 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (20079007)
伊藤 和行 京都大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (60273421)
根占 献一 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (50208287)
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研究概要 |
1 平成12年6月に学習院女子大学で研究発表会を行い,「コムーネと占星術-パードヴァのパラッソォ・ラジォーネの壁画装飾を中心に」.「裸体に羽織る男物の外套の意味-ジョルジョーネ作《ラウラ》」,「プラトン・アカデミーとフィレンツェ大学」の発表をめぐって討論した. 2 平成12年12月に京都大学で研究発表会を行い,「15世紀イタリアの医師のまなざしとジェンダー-Michele Savonarolaの論考をもとに」,「アルチャーティ『エンブレム集』の展開と影響」,「デカルトにおける数学的実在論批判-『規則論』を中心に」の発表をめぐって討論した. 3 以上の研究発表会における議論を通して明らかになった点は,(1)中世・ルネサンスにおける占星術の図像のあるものは,当時の自然観を背景にしながら,政治的な文脈も有していたこと,(2)ヴェネツィア派の美術において,人間の自然(本性)に関わってジェンダー的に相対的な視点が見られること,(3)ルネサンス医学史における.人間の自然(本性)へのアプローチに変化が現れること,(4)エンブレム・ブックという文学ジャンルにおいても,新たな自然観が反映されていること,(5)ルネサンスの自然観がデカルトの数学論の形成に対して影響していること,などである. 4 前年度に引き続いて,研究課題に関わる邦語ルネサンス文献目録の作成のために資料の蒐集を行ない,コンピュータへの入力作業を行なった.また,4年間の研究活動の成果をまとめて,研究成果報告書『ルネサンスにおける自然観の総合的研究』を作成した.
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