研究課題/領域番号 |
09410006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 大阪市立大学 (1998-1999) 金沢大学 (1997) |
研究代表者 |
美濃 正 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (70181964)
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研究分担者 |
横山 輝雄 南山大大学, 文学部, 教授 (80148303)
大沢 秀介 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50233094)
服部 裕幸 南山大学, 文学部, 教授 (40110754)
戸田山 和久 名古屋大学, 高等教育研究センター, 助教授 (90217513)
柴田 正良 金沢大学, 文学部, 助教授 (20201543)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | コネクショニズム / フレーム問題 / 実践知 / 民間心理学 / 「浅い指示」の理論 / 人工知能研究 / 「状況内主体」アプローチ / 自然化された科学哲学 |
研究概要 |
この三年間におけるわれわれの研究成果の一部は「研究成果報告書」に収められている。その概要は以下のとおりである。まず服部は、古典的AT研究に代わるコネクショニズムの台頭によってフレーム問題が解決ないし解消されたのかどうか、という問題について批判的考察を展開している。大沢は、アンスコムが指摘した「実践知」と人間的認知の枠組み(フレーム)との間にある深い関わりが存在することを示そうとしている。横山は、人工生命、直列処理とコネクショニズム、民間心理学などのテーマをめぐる議論における、工学的、化学的、そして哲学的という三つの次元の区別の重要性について論じている。柴田は、人間がいかにフレーム問題をうまくすり抜けて相互の言語理解に成功しているかという問題について、伊藤春樹の「浅い指示」の理論の批判的検討を通じて考察している。戸田山、古典的AT研究にとってかわる人工知能研究の新しいアプローチの一つである、ブルックスらの「状況内主体」アプローチに注目し、このアプローチによってフレーム問題は解消する、という主張に対して批判的検討を加えている。柏端は、「フレーム問題」という名のもとに概括されている問題群がいかに発生してくるかを一つの事例に則して示し、これらの問題の適切な類別を試みている。最後に美濃は、戸田山による「ラディカルに自然化された科学哲学」の提唱に対して批判を加えつつ、科学的推論に関する認知科学的研究が従来の科学哲学に及ぼしうる影響について考察している。 この三年間におけるわれわれの研究はかなりの進展を見、一定の成果をあげたと信じているが、当初の目的をすべて達成したとは言い難い。今回の研究をさらに発展結実させるため、今回の研究課題に関わる内容の論文集を同じ研究チームによって公刊することを計画中であることを最後に付記しておきたい。
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