研究課題/領域番号 |
09410012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
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研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
研究代表者 |
今西 順吉 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (70000594)
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研究分担者 |
DURT Hubert 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (20288070)
平川 彰 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (70011244)
原 実 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (40011283)
湯田 豊 神奈川大学, 教授 (70102225)
鎌田 茂雄 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (80012970)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 仏教の生命倫理 / インドの生命観 / 縁起思想 / 宇井伯寿 / 和辻哲郎 / 東アジア / 中国仏教の自然観 / 西洋思想の生命観 |
研究概要 |
インド社会にはその歴史を貫いて基盤として存在するところの、通念とも呼ぶべき生命倫理がある。そのインド的基盤を踏まえながら、仏教を介してさらに中央アジア、中国、日本にまで総合的な解明を目指して、研究を進めた。 インド的基盤の問題としては、ヒンドゥーの社会とその文化と仏教とがどのような関係にあるかという、古くて新しい問題がある。現代の視点からその解明に努めた。また、「不殺生」などの具体的な言語表現についての研究もなされた。 仏教は超俗的な性格を強く示しながら、出家者中心の教団であっても、在家を抜きにしては存立が不可能であることが、律蔵関連の資料から明らかにされた。仏教教団が早くから四衆の組織を表明している理由がそこにあり、超俗の出家教団もまさにその超俗性を在家によつて支えられなければならなかった。出家者の超俗的思想のみをもって仏教の絶対的な表明と見るのは一方に偏っていることになり、在家の視点もまた掘り起こす必要があることを意味する。仏教の生命観は、仏教自体のこのようなあり方全体を視野においてとらえなければならないことになる。 現代の人間観は現実、すなわち在家者の視点を重視する。その視点に立つとき、二つの問題がある。一つは歴史的に、仏教とインド社会一般の考え方との比較である。インドにおいて仏教が隆盛を誇るようになると、ヒンドゥーとの対立とともに、協調関係が生まれる。仏教が東アジアに移入された後について見れば、この問題は、それぞれの文化圏における仏教と土着思想との対立ならびに融合の問題という形をとってあらわれる。生命倫理について、必ずしも仏教という立場から一貫した見方が出されにくいのは、このような土着思想との関係という側面があることも考慮されなければならない。 これらの角度からの研究がなされた。 個々の研究についてはすでに公表されたものものあるが、ここには以上の研究成果の一部をとりまとめて刊行することとした。
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