研究分担者 |
森 雅秀 高野山大学, 文学部, 助教授 (90230078)
高野 禎子 清泉女子大学, 文学部, 助教授 (10179468)
永澤 峻 和光大学, 人文学部, 教授 (20130859)
木俣 元一 名古屋大学, 文学部, 助教授 (00195348)
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学部, 教授 (60193009)
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研究概要 |
今年度は高野山大学と名古屋大学文学部において,2回にわたって研究会を開催し,今後の研究方針についての打ち合わせと並行して,各研究分担者および研究協力者による研究発表と討論を行った.当初の目的は、仏教美術とキリスト教美術を比較対照させながら、従来は部分的に、また局地的に行われてきた研究を、より総合的でより全体的なものとし、宗教的実践や活動における視覚的イメージの諸問題を多角的に考察するところにあったが、時間の制約もあり、今回は仏教美術とキリスト教美術の比較研究まで踏み込むことは出来なかった。しかしながら、仏教美術とキリスト教美術の研究者が、それぞれ宗教的実践と美術作品・視覚的イメージとがどのようにかかわっているかという問題意識で、各自関心のテーマについて研究発表を積み重ねることができた。それによって宗教美術特有の問題が浮かび上がってきたし、今後の比較研究の足掛かりを得ることができたといえよう。宗教的実践と美術作品の関連について、今回とくに考慮した点を具体的に述べると以下のようになろう。仏教とキリスト教という東洋と西洋を代表する二宗教では、・礼拝(祈念)、・観想(瞑想、禅観)、・儀礼(法会、行儀、儀式)、・教化(説教、絵解き)などの、宗教の根幹部分を形成し、僧・聖職者はもとより、その社会や文化のあらゆる階層や構成員に波及する様々な実践や活動の中で、美術作品はきわめて重要な位置を占めていた。本研究では、こうした事実に注目して、個々の問題を考察することに努めた。平成11年3月には,11編の論文を掲載し140ページにおよぶ報告書を製作し,現時点での研究成果をまとめ,今後の研究に向けての基盤をある程度形成することができた.
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