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1998 年度 実績報告書

学習・記憶における脳内グルタミン酸レセプターの役割に関する生理心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09410021
研究機関筑波大学

研究代表者

一谷 幸男  筑波大学, 心理学系, 助教授 (80176289)

研究分担者 山田 一夫  筑波大学, 心理学系, 助手 (30282312)
岩崎 庸男  筑波大学, 心理学系, 教授 (70092509)
キーワード学習 / 記憶 / グルタミン酸 / NMDA受容体 / ラット / 海馬 / 線条体
研究概要

長期増強において,脳内グルタミン酸レセプターのうちNMDA(N-methyl-D-aspartate)レセプターの重要性が指摘されて以来,動物の学習・記憶に及ぼす各種のNMDAレセプター遮断薬や作動薬の効果が検討されてきた.しかし,それらの薬物を脳内の特定の部位に投与した研究はまだ少ない.昨年度は,空間記憶課題である放射状迷路学習課題の遂行にとって,海馬内のNMDAレセプターが重要なはたらきをすること,さらに,海馬NMDAレセプター内のグリシン調節部位が関係していることを報告した.
本年度は,空間記憶課題の遂行に関与すると考えられる別の脳部位である,線条体(尾状核・被殼)のNMDAレセプターの役割について検討した.被験体としてラットを用い,8方向放射状迷路課題の訓練をし,学習完成後線条体へのガイドカニューレ植え込み手術を行なった.回復後,マイクロシリンジポンプを用いて,競合的NMDAレセプター遮断薬のAP5(2-amino-5-phosphonopentanoicacid)または生理食塩液を線条体内投与した直後,放射状迷路課題の遂行を観察した.その結果,AP5の用量にかかわらず,放射状迷路行動(正選択反応)への明らかな影響は見られなかった.したがって,この課題の遂行における線条体のNMDAレセプターの関与は低く,脳内NMDAレセプターのうちでも海馬のNMDAレセプターが重要なはたらきをしているという仮説が,さらに強く支持された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kawabe,K.: "Effects of intrahippocampal AP5 treatment on radial-arm maze performance in rats." Brain Research. 781. 300-306 (1998)

  • [文献書誌] Kawabe,K.: "Intrahippocampal D-cycloserine improves MK-801-induced memory deficits : radial-arm maze performance in rats." Brain Research. 814. 226-230 (1998)

  • [文献書誌] Nonaka,H.: "Effects of early postnatal AF64A treatment on passive avoidance response and radial maze learning in rats." Japanese Journal of Psychopharmacology. 18. 39-44 (1998)

  • [文献書誌] 岡内 隆: "線条体カイニン酸投与ラットにおける線条体細胞外アセチルコリンおよびドーパミンのin vivo測定" 筑波大学心理学研究. 21. 37-44 (1999)

  • [文献書誌] 高濱 祥子: "線条体興奮性アミノ酸投与ラットの行動特性に関する研究の概観" 筑波大学心理学研究. 21. 45-56 (1999)

  • [文献書誌] 山田 一夫: "薬物依存における視床下部-下垂体-副腎皮質ストレス反応系の役割に関する研究の動向" 筑波大学心理学研究. 21. 57-65 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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