研究課題/領域番号 |
09410024
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
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研究分担者 |
中村 直人 浜松医科大学, 医学部, 教務職員 (30211436)
沖 隆 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (20169204)
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キーワード | 自己刺激行動 / 不動化ストレス / グルタミン酸 / 前頭眼窩野 / テトロドトキシン / 取り組み阻害 |
研究概要 |
前年度は、オンラインでの酵素-蛍光分子と組み合わせたマイクロダイアリシス法を用いて、脳内自己刺激行動(欲求性行動)と不動化ストレス(嫌悪性行動)に対する前頭眼窩野グルタミン酸反応について分析した。その結果、前者においては刺激中やや減少し刺激後大きく増加する2相性の反応パターン、一方後者においては刺激中と刺激後共に増加する2峰性の反応パターンを示すことを明らかにした。 本年度は、これらの反応に及ぼすテトロドキシン(10μM)とグルタミン酸取り込み阻害剤(PDC:1mM)の効果を調べた。 (1)テトロドトキシン処置により、自己刺激およびストレス誘発性のグルタミン酸反応は共に減衰した。したがって、両行動によって誘発される前頭眼窩野グルタミン酸反応は、テトロドトキシン感受性成分と非感受性成分からなることが示唆された。 (2)また、原波形からテトロドトキシン非感受性成分を引き算して得られた感受性成分の波形は、自己刺激行動とストレス行動共に、よく似た単峰性の増加パターンを示した。したがって、原波形にみられる反応パターンの差は、おもにテトロドトキシン非感受性成分によってもたらされることが示唆された。 (3)なお、これらの刺激誘発性グルタミン酸反応は、グルタミン酸取り込み阻害薬の処理による影響を受けなかった。したがって、テトロドトキシン非感受性成分の生成にトランスポーター機構は関与しないことが示唆された。
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