研究課題/領域番号 |
09410031
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
片桐 和雄 金沢大学, 教育学部, 教授 (00004119)
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研究分担者 |
小池 敏英 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60251568)
大井 学 金沢大学, 教育学部, 教授 (70116911)
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キーワード | 重度脳障害事例 / 心拍変動情報の即時活用 / RSA即時モニタリングシステム |
研究概要 |
働きかけに対する反応を行動観察上で把握することができないために、援助の手掛かりを得ることが困難な重度脳障害事例を対象にして、心拍変動情報を援助者へ即時伝達するシステムを臨床場面に実践的に導入し、コミュニケーション機能の形成を中心とした発達援助における妥当性と有効性を検討し、より実際的なシステムを構築するのが本研究の目的である。昨年度は、音信号に変換された心拍変動の弁別と情報の判定に関する検討と、心拍情報即時伝達システムの妥当性と有効性に関する臨床的検討を試み、対象事例の覚醒水準の把握、働きかけの内容の選択と実施のタイミングなどに関して、本システムによる心拍変動の即時伝送情報が有効な手がかりになることが、養育者の自己評定と対象者の変化の両面から確認された。これらの知見をもとに、本年度は継続して臨床的導入を試み、本システムの実践的応用の妥当性を具体的に明らかにした。さらに、昨年度の研究によって生じた呼吸性心拍変動(RSA)の活用という課題に関して、RSA即時モニタリングシステムを開発するとともに、これを脳障害が脳幹水準に及ぶ最重度事例への援助場面に導入し、その有用性を検討した。その結果、心拍の一過性反応が未分化な最重度事例において、このRSA即時のモニタリングシステム導入によって、援助の手掛かりを得ることが可能であることが明らかになった。
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