研究課題/領域番号 |
09410034
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大神 英裕 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 教授 (20020141)
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研究分担者 |
吉松 靖文 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (50243861)
田中 信利 西南女学院短期大学, 助教授 (90236612)
徳永 豊 国立特殊教育総合研究所, 肢体不自由部, 主任研究員 (30217492)
干川 隆 国立特殊教育総合研究所, 精神薄弱部, 主任研究員 (90221564)
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キーワード | 共同注意 / 障害児 / 動作法 / 行動的指標 / 感覚モダリティー |
研究概要 |
1 共同注意の発達特性の検討 共同注意の因子構造とその発達の順序性を明確にするために、506人の乳幼児を対象に、26種類の共同注意行動について質問紙調査を実施した。因子分析の結果、生態学的、幾何学的、表象的メカニズムに相当する因子を抽出した。また、クラスター分析の結果、生後10ヶ月を境にして、共同注意が劇的に発達することが明らかとなった。しかし、この質問紙法では原命令的・要求的行動と原叙述的・共感的行動の発達的差異は明確にできなかった。 2 共同注意の発達援助における規定要因の検討 外的対象物を媒介にした親子、あるいは治療関係における3項関係で、どのようなやり取りが、子供の共同注意を促すのか、すなはち、有効な足場づくり(scaffolding)を解明するため、フィールド観察法を実施した。その結果、18ヶ月を対象にした場合、共同注意の生起と維持swiching方略とfo11owing方略は同等の効果を持つことが示唆された。12ヶ月前後の初期言語の獲得過程ではfollowingは最優先される方略とされているが発達段階との交互作用が検討される必要が示唆された。 3 共同注意の理論的検討 視覚世界における共同注意研究の枠を超えて、触覚的・運動感覚的な共同注意の構造を理論的・実証的に検討した。そこでは、重度障害児のリハビリテーション(動作法)の理論と実証データを再検討し、対象(命題)を動作課題・動作体験に置き換えることによって新たな理論的枠組みを展開した。
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