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1998 年度 研究成果報告書概要

ふり遊びにおけるメタ・コミュニケーション能力の発達

研究課題

研究課題/領域番号 09410037
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育・社会系心理学
研究機関日本女子大学

研究代表者

高橋 たまき  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90060623)

研究分担者 加用 文男  京都教育大学, 教育学部, 助教授 (40161252)
馬岡 清人  日本女子大学, 家政学部, 助教授 (90168740)
小山 高正  日本女子大学, 人間社会学部, 助教授 (20143703)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードふり遊び / 遊びエピソード / メタ・コミュニケーション / 枠内発話 / 枠組構成発話 / 転回
研究概要

本研究の目的は遊びの<枠内>、<枠(枠組構成)>、および<枠外>発話を手がかりとしてふり遊び(pretend play)におけるメタ・コミュニケーション能力を発達的に検討することである。この目的のために、東京地区と京都地区の健常就学前児について、自然発生的なふり遊びにおいて産出されるテーマ数・種類、各テーマ内のエピソード数・命題数、および自他間のアイディア調整機能を年齢間で比較した。その結果、以下の点が明らかにされた。
(1)生成された「ふり」のテーマ数については年齢間の差異が見られなかったが、3歳児で「ままごと」などの「家庭生活」を中心とするテーマが多いのに対して、5歳児では「パトカーを呼ぶ」などの「社会関係の」テーマも出現した。
(2)各テーマ内のエピソード数については、5歳児が3歳児より若干多い傾向がみられた。1つのエピソード内に含まれる命題数は、5歳児において圧倒的に多く生成され、5歳児の「ふり」の内容がより詳細になっていることが判明した。
(3)3歳児に比べて、5歳児に<枠内発話>が多く産出された。<枠内発話>における「転回」(仲間の遊びアイディアにそって次のアイディアを生成する)は、3歳児に比較して5歳児に頻繁に観察された。
(4)京都地区の就学前児では、<枠内発話(セリフ)>をいう際に、方言ではなく共通語で述べることが年齢とともに飛躍的に増加した。
(5)他者(人形)に主体性・能動性を付与する(人形を、あたかも意思をもっているかのように動かす)ことは、年齢とともに増加した。
精神発達障害を持つ幼児には、「ふり」が発生しづらいことから、ふり前提となる保育者の「一致行動(模倣行動)」に着目して、6ヶ月間の自然観察をおこなった。その結果、ダウン症児では、保育者へ顔を向けたり、保育者と一致する行動が比較的頻繁にみられたが、自閉症児の反応傾向が低いことが判明し、自閉症児が「ふり」を苦手とするとの多くの研究結果との関連が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 加用文男: "「心の理論」研究におけるごっこの研究―Acting As if論から揺れ動き論へ―"心理科学. 20. 1-24 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 馬岡清人、他: "発達障害児のモデリング過程の分析"日本女子大学大学院紀要、家政学研究科・人間生活学研究科. 5号. 37-46 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2001-10-23  

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