平成9年度には、家族言説の全般的な状況を広くリサーチするための質問紙調査を行った。調査対象は富山県内の成人男女を対象であり、選挙人名簿を台帳として多段層化無作為抽出ほうにより900名の対象者を抽出した。調査は郵便法により行い、500名の有効回答を得た。回収率は55.6%である。 調査項目は、現在の家族と定位家族の家族構成、家族観。家族行動などの選択肢を設けた質問の他に、自由回答による家族観についての質問も設けている。 現在までに選択肢を設けた質問の分析はほぼ終わっているが、自由回答の項目については、まだコーディングが終了していない。 選択肢を設けた質問の分析では、年齢による家族観の変化などに着目し、最近では伝統的な家族観がある時期以降はそれほど変化していないことなどの知見が得られた。また「ペットも家族の一員である」という考え方がどの年齢層においても多数派をしめているという結果が得られたが、これも今後の研究の足がかりになる知見であるととらえている。 自由回答のコーディングは現在コーディングルールの作成を行っているところであるが、量的に十分な回答が得られたので、今後の成果が期待できる。
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