本年度は、まず自由回答のコーディングを行うためのコーディング支援プログラムの開発から着手した。このプログラムはすでに開発済みのものであるが、今回のデータに合わせて細部を調整し、より使いやすいもに改善した。 次に、このプログラムを用いて昨年度行った意識調査の自由回答項目の分析を行った。コーディングが十分に安定していないために、まだ明確な結論を出すことはできないが、ライフコースの進行に伴う家族言説のパターンの変化を捉えることに成功したと言えるだろう。 並行して、インテンシブな調査にも着手したが、こちらは思ったほどの進展は得られなかった。今年度は映画の中での家族言説を家族に関連する小道具に着目して捉えていこうとしたのだが、分類や比較のための枠組が充分ではなく、探索的にいくつかの特徴を描き出すにとどまった。インテンシブな調査については、調査の枠組自体を修正した方が良いのではないかということになり、今年度については調査枠組の再検討に多くの時間を費やし、実際の調査は十分には行えなかった。最終年度である来年度において、本格的に行うこととする。
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