平成11年度は、遅れていたインテンシブな調査を集中して行うとともに、自由回答項目の分析を選択肢項目と関連づけながらさらにすすめた。 インテンシブな調査は、富山県内の自助グループを対象にした参与観察及びインタビューを行った。調査対象の選択にあたっては、当初の計画通り、「家族」そのものではなく、さまざまな領域での相互作用の中に現れる「家族言説」の収集という観点から検討した。具体的には、登校拒否(不登校)の子どもの親の会、民間のデイケア・ハウス、知的障害者の家族の会、痴呆症の高齢者の家族の会自助グループである。自助グループにおいては、問題の原因や責任などを「家族」に負わせるような言説や、「家族的なもの」への言及などが見られるのではないかと期待し、実際にいくつかの事例を収集することができた。 自由回答項目の分析はすでにある程度の形はできあがっていたが、検討の結果、分析する自由回答項目を追加したほうが良いことが判明し、コーディングプログラムを改善して再コーディングを行った。また、それらの結果と選択肢項目との関連をさらに詳しく分析した。 平成11年度は最終年度であるため、これらの資料や分析結果をもとに、最終報告書を作成する作業を行った。
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