研究分担者 |
水上 英徳 大分県立芸術文化短期大学, コミュニケーション学科, 講師 (50280889)
永井 彰 東北大学, 文学部, 助教授 (90207960)
永野 由紀子 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (30237549)
小林 月子 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (00004094)
佐久間 政広 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (30187075)
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研究概要 |
宮城県鹿島台町と愛知県安城市において、それぞれ農業生産組織の展開過程について実証研究を進め、いくつかの知見を得た。1,農業生産組織の結成は、その時点での社会的条件ならびに関連農家の存立構造に依存している。だが、条件の変化や農家の変貌とともに農業生産組織は即座に変化しえない。2,労働市場の展開につれて、加入農家にとって可能なはずの農外労働に見合った収入が、生産組織から得られるかどうかが、生産組織の死活問題である。3,農業生産組織の機能が低下して、農外労働に見合った収入がそこから得られない場合には解体が望まれるのにもかかわらず、解体することもできない。4,農業生産組織は長期にわたって存続するばあいには、組合員の高齢化が現出しており、高齢者農業としての農業生産組織になりつつある。そうした状況では、青年層や若年層の組合員は、不満を強めつつある。5,工業化の進展につれて大多数の農家が脱農するなかで、ごく少数の農家の生き残り戦略として農業生産組織が存立している。6,農業生産組織は、関連農家の農業経営を解体させてはいるものの、その関連農家の家族としての存立基盤の強化が目指されている。7,農業生産組織は例外なく、優れたリーダーによって運営されている。そのリーダーの「農の哲学」が、農業生産組織を支えている。8,農業生産組織では、優れたリーダーのもとでサブリーダーが育ちにくく、リーダーの交替が至難である。9,農業生産組織において女性の就労者が増大しつつあり、女性の声をどう活かすのかが、ますます農業生産組織にとって必要になりつつある。
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