研究課題/領域番号 |
09410048
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
宮井 勢都子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (10200114)
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研究分担者 |
稲村 美貴子 東洋女子短期大学, 欧米文化学科, 教授 (00248949)
宇田川 史子 東洋女子短期大学, 欧米文化学科, 教授 (90248948)
鈴木 顕介 東洋女子短期大学, 欧米文化学科, 教授 (00259079)
長谷川 瑞穂 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (70180867)
梅山 香代子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (20151938)
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キーワード | 多文化主義 / 民族 / 人種 / 移民 / 先住民 / 教育 / 言語政策 / アイデンティティ |
研究概要 |
一個の国民社会の内部における複数民族・複数文化の同時共存が通常化している現在、その共存を前提にした国民統合概念の模索は重要な課題となっている。移民を基盤として創られた国であり、イギリス的な政治的伝統と英語文化と言う共通性を持つ、カナダ、アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアの多文化主義の比較研究の第一歩として、今年度は、これら四地域の多文化主義を理解する上で重要な論文を選び翻訳した。それぞれの論文についての解題、四地域の多文化主義に関する概観、多文化主義に関する邦語文献目録を加えて、九月に木鐸社より、『多文化主義---アメリカ・カナダ・オーストラリア・イギリスの場合』として出版した。 また、月一回のペースで例会を開き、研究課題に関する最新の理論や実証研究の報告・討論、講師を招いての講演会を行った。さらにそれと平行して、近年の研究成果の文献・資料の収集も行った。研究協力者間の討議を進めながら、各研究分担者の個別研究に入っているところである。 多文化主義の意味は多様であり、曖昧でさえあるが、1970年代に台頭した多元文化主義とは質的に異なっている。「ポストモダン」「ポストコロニアル」といった知的状況と深い関わりをもち、単なる「上からの」統合の問題(教育・言語政策も含めて)にとどまらず「下からの」運動(「差異」認識のあり方、文化的ヘゲモニ-批判など)としての側面が強い。「人種」「異文化」「ジェンダー」の概念化や、「差異」の言語化にともなう政治性も問題になっており、社会科学だけでなく言語を専門とする研究分担者の協力を得て、研究を進めている。
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