研究課題/領域番号 |
09410048
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
宮井 勢都子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (10200114)
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研究分担者 |
高村 宏子 東洋女子短期大学, 欧米文化学科, 教授 (40216792)
遊 みか 東洋学園大学, 人文学部, 助手 (20286214)
小川 晃一 東洋学園大学, 人文学部, 特任教授 (80000652)
西村 由起子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (70198513)
梅山 香代子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (20151938)
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キーワード | 多文化主義 / 人種 / 民族 / 移民 / 教育 / アイデンティティ / 言語政策 / 国民統合 |
研究概要 |
今年度は、2か月に1回のペースで例会を開き、それぞれの研究分野に関連する論文、また個別研究の中間発表を行った。こうした例会での議論を通して、多言語主義、多文化教育、多文化主義をめぐる議論が、それぞれの研究地域においてどのような問題を提起しているか検討した。 多文化主義とは流動的な概念であり、その用語が喚起する概念は地域によっても、論者によって、また政策として論じているか運動として用いているかによっても異なり、いまだに個別に概念定義する以外には一定の定義付けをすることは困難であると言える。しかし、重要なことは、一つの国民国家内に存在する複数民族・複数文化の共存のあり方をめぐる議論は、国民統合に対するコンセンサスの問いなおしを行うことによって、それぞれの国のナショナリズムの質や建国理念の違いを浮き上がらせている。たとえば、カナダにおいては多文化主義が憲法の中で明文化されており、多文化主義自体がカナダのナショナリズムの一角をなしている。それに対してアメリカ合衆国においては、建国の理念への同化を求めるアメリカニズムのあり方に対する批判として多文化主義が主張されている。 90年代に展開した多文化主義論争は、それぞれの地域でこれまでどのような「資質」を備えた人間を「国民」あるいは「市民」として承認してきたか、と同時にどのような人々を「他者」化してきたのかというcitizenshipにつながる問題をも提起している。 今後は報告書作成をめざし、個別のテーマにそって研究をすすめていきたい。
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