研究分担者 |
笠間 千浪 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (50267506)
伊豫谷 登士翁 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (70126267)
佐久間 孝正 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80004117)
稲葉 奈々子 茨城大学, 人文学部, 講師 (22821159)
太田 晴雄 帝塚山大学, 教養学部, 教授 (10185275)
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研究概要 |
本研究は, 今日の日本における滞在外国人, 定住外国人の社会参加, 政治参加の問題を実証的に解明する試みとなった。地域社会における外国籍住民は, 今や単なる行政サービスの客体であるにとどまらず, 参加への要求、意欲をももった存在として立ち現れていることを明らかにし, そのことを, (1)まず外国人会議を通じての市政参加への意欲, 態度のなかに検証し, (2)次いで, 参加の主体を形成する教育の役割に注目し, 外国人の子弟の教育上の諸課題について調査を行った。研究成果としては, 次の三点が明らかにされたことが挙げられる。 1.大都市(川崎市)を事例とした調査の結果, 市政への参加への志向は定住外国人(在日韓国・朝鮮人)だけでなく, ニューカマーの外国人のなかにも一定程度もたれていて参政権を必要とする意識もかなり明白である。 2.しかし, 今や外国人中の多数派であるニューカマーの場合, 地域レベルでの団体やネットワークへの参加の度は低く, 地域と市政の媒介者たりうるかどうかは疑問が残る。 3.外国籍住民の次世代を形成すべき教育は, 国際教育とそのための教員加配等の対応をとってはいるが, 言語文化の違いを克服させることはかなり困難があり, 通常の教育努力では足りず, 特に地域のサポーティヴ・ネットワークの役割が重要である。
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