研究課題
本年度は、階層文化とライフスタイルの測定方法を開発し、それを次のような3種類の調査を実施することより、研究を具体化し、進展させた。(1) 川崎市において無作為標本による大規模質問紙調査を実施した。川崎市在住の20〜69歳までの男女合計4000名に対し、郵送法による質問紙調査を実施した(「ライフスタイルと文化に関する意識調査」)。選挙人名簿から確率比例抽出法で平成10年12月にサンプリングを行った。実査は平成11年1月末〜2月および3月の2回。回収率および有効解答数をあげるために、同サンプルに対し2度の調査を行った。回収率は約25%。文化獲得の場の効果を測定するなど、新しい試みを行った。(2) 関東圏在住の中流階層を中心とした、個別インタビュー調査を約60名に実施した。文化活動とライフスタイルを中心に生活全般の状況を把握するとともに、階層意識、満足感など生活意識を中心としたデプスインタビューと同時に、確認のための質問紙調査も実施した。すべて記録をとり、資料として整理した。(3) 大学生に対する調査を計画し、文化活動と芸術愛好に関する詳細な質問紙を作成した。平成10年秋にプリテストを約45名に実施した。この調査は質問紙をさらに改良し、来年度にむけ、本調査を約2000名に対して実施する予定である。(l)の川崎市調査については、データクリーニングを行い、来年度に分析を開始する。また(2)のインタビュー調査については、資料整理を行った。