研究課題/領域番号 |
09410075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
小林 順子 清泉女子大学, 文学部, 教授 (20089288)
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研究分担者 |
小野田 正利 大阪大学, 人間科学部, 助教授 (60169349)
大坂 治 北海道教育大学, 函館校, 教授 (60149739)
古沢 常雄 法政大学, 文学部, 教授 (30061211)
井上 星児 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (70223253)
桑原 敏明 筑波大学, 教育学系, 教授 (00015439)
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キーワード | フランス / 教育課程 / カリキュラム / フランス教育 / 教育内容 |
研究概要 |
1.フランスの全国教育課程基準の大規模な再編成は、すでに1995年度から初等教育機関である保育学校および小学校において、そして1996年度からは中学校(コレージュ)第1学年に学年進行で改訂が進められ、教科書の改訂や各学校におけるカリキュラム改善がなされている。現在この改訂作業は、国段階での中学校最終学年の原案提示(1997年12月)を終えており、、この後約1年をかけて各種の教育関係団体との協議や修正を経て、1999年度から適用実施されることが予定されている。これにより一応の中学校までの大幅な改正が一段落し、その後に高校(リセ)段階の改訂作業が始まることになっている。 2.研究代表者および研究分担者は、この間において改訂された教育課程に関する文献調査をすすめながら、過去の改訂との相違や、学校システム全体にわたるその他の諸改革との関連構造を分析してきた。また外国出張によるフランス文部省の教育課程担当者との面談や、10校近くにのぼる小学校・中学校の授業の視察や聞き取り調査を精力的におこなったが、総じてこれらの状況をみるかぎり、教育現場では大きな混乱もなく着実に進行しているといえる。 3.これらの改訂には次の2つの特徴が明確に見てとれる。第1はEU統合による拡大ヨーロッパの視点での教育内容の整備であり、第2は個人の多様性に応じた諸政策を講じることにより学業失敗者をいかに減少させていくかに留意点が置かれている。極めて高い失業率と地域間格差などの問題も背景にしながら、基礎基本の重視と内容の精選を図り、かつ各教科間の関連と一貫性を追求しているといえる。これらの関連構造と政策的意図については、次年度以降において詳細な考察をおこなう予定である。
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