研究課題/領域番号 |
09410079
|
研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
小島 勝 龍谷大学, 文学部, 教授 (40140123)
|
研究分担者 |
粂井 輝子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (60205177)
足立 聿宏 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (40132328)
槻木 瑞生 同朋大学, 社会福祉学部, 教授 (30022396)
石川 友紀 琉球大学, 法文学部, 教授 (10044843)
渡部 宗助 国立教育研究所, 教育政策研究部, 室長 (40034665)
|
キーワード | 在外子弟 / 海外子女教育 / 帰国子女 / 日本人学校 / 移民 / 異文化間教育 |
研究概要 |
今年度は4回の合宿研究会をもつとともにブラジルで研究のためのレビューを受けるなどの活動を行なった。第1回研究会(7月12〜13日)では、前田均氏の「日本統治下台湾の元『内地人』児童からの聞き取り」・「在満州日本人子弟教育関係の新資料紹介」、第2回研究会(9月20〜21日)では、粂井輝子氏の「外務省の在米子女教育方針-外務省領事会議議事録を中心にした資料紹介」と石川友紀氏の「沖縄県における第二次世界大戦前の在外子弟教育」、第3回研究会(11月23〜24日)では、塚本美恵子氏の「帰国子女の家庭教育について」と森本豊富氏の「マージナル・マンとしての在米日系二世-戦前・戦中の留日二世を中心に-」、第4回研究会(3月21〜22日)では、小島勝の「ブラジルでのレビューを終えて(1)」、小嶋茂氏の「ブラジルでのレビューを終えて(2)日本人子弟教育の実情と関係史料」、足立聿宏氏の「第2次世界大戦前のハワイ日系人と現地教育」と槻木瑞生氏の「満州の教育-新京工業大学における日本人教育を中心に」の研究報告のもとに意見交換を行なった。また、12月18〜30日に小島勝と小嶋茂がブラジルに行って、戦前の在外子弟教育についてのレビューを受けた。研究会で得られた知見の詳細については、報告書にゆずりたいが、1.これまでの台湾での日本人児童からの聞き取りは「エリート層」が多かったことに問題があること、2.アメリカでは、日本外務省は排日気運に腐心し協調的態度をもって妥協を重ねていったこと、3.沖縄での移民教育は、日本の国家主義への過剰同調の姿勢で盛んになったこと、4.海外子女教育の特徴のひとつは、学校の文化や地域社会の文化を選択できる立場にあること、5.「マージナル・マン」の概念は、在米日系二世を分析するのに再評価できること、6.ブラジルでは、4〜5年前まで教育勅語が尊重されており、日本の「よき伝統」が今なお息づいていることの意味などが話題となった。
|