研究課題
1)現在実施されている特殊教育諸学校における「養護・訓練」、特殊学級および通級による指導における「心身の故障に応じた特別の指導」に関するプログラムの分析養護・訓練で中心的に行われてきた障害の克服・軽減のみでなく、障害を有しながらよりよく生きることについてもさまざまな教育的取り組みがなされているが、その実態を調査するため、特定の聾学校および難聴・言語障害特殊学級を対象に予備的検討を行った。2)通常学級に在籍する難聴児のハンディキャップの実態に関する具体資料の収集通常学級で教育を受けた難聴者を対象に、難聴によるハンディキャップの実際に関連して以下の項目ついて記述調査を行った。(1)家庭内コミュニケーションでの工夫、(2)学校で配慮してほしい情報提供サービス、(3)日常生活の中で経験した難聴による不利益、(4)悔しい思いや悲しい思い(難聴者の感じた心のバリア)の体験等について具体例を収集した。3)疑似体験教材の開発健常者の障害理解を目的に議事体験教材の開発を試みた。帯域雑音によるマスキングを応用したり、重度難聴者の発話を聞き取ることによって、体験的に難聴によるコミュニケーションの困難さを学習できるプログラムの開発を行った。4)障害者の健常者理解と健常者の障害者理解に関する研究資料の収集国内の研究を中心に行った。5)国際会議での研究成果の報告我が国の聾学校教育おける児童生徒の自己の尊厳を高めるための指導に関する課題を整理し、タイ国バンコクで開催された国際会議において報告した。