研究課題
1) 本研究における基礎的資料として、「養護・訓練(新指導要領における「自立活動)」に関連する資料を集め、分析をおこなった。「養護・訓練」の歴史的変遷を整理するとともに、自己理解に関わる用語使用の歴史的な変化を分析した。この結果聴覚障害の領域では「障害克服」の用語に比して「障害認識」あるいは「障害理解コなどの用語が多用される傾向にあることがわかった。3つの聾学校、福祉コースを持つ一つの高等学校の協力を得て、障害理解に関する具体的な活動に関して詳細な資料を得た。また米国における「聾学科(Deaf Studies)」の資料を収集し、ここでの自己理解に関わる活動プログラムを分析した。2) 障害理解と社会参加に関する全国調査の原案作成全国の聾学校を対象とした障害理解と社会参加に関する調査を計画しており、「養護・訓練(自立活動)」の内容を中心に質問をおこなう調査表の原案を作成した。これは次年度(平成11年度)に実施の予定である。3) 疑似体験教材の開発昨年度は帯域雑音マスキングを応用した難聴の疑似体験教材を開発したが、今年度は補聴器を装用しての聞こえを体験する疑似体験ビデオの開発に取り組んだ。4) 主に通常の学校に通学する聴覚障害児の障害状況に関する資料収集と分析通常の学校に通学する聴覚障害児の家庭や学校での障害状況について体験記や観察記録を集め、分析した。これについては中華人民共和国の北京市で開催された国際会議で報告した。
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