研究課題/領域番号 |
09410086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐野 賢治 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (90131127)
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研究分担者 |
湯川 洋司 山口大学, 人文学部, 教授 (10166853)
菅 豊 北海道大学, 文学部, 助教授 (90235846)
飯島 吉晴 天理大学, 文学部, 教授 (30184344)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | アイヌ民族 / 知里真志保 / 金田一京助 / 蝦夷 / 藤原相之助 / 喜田貞吉 / 比較研究法 / 比較民族研究 |
研究概要 |
現地調査として、全員で二風谷アイヌ民族資料館、白取町アイヌ民族博物館、釧路市立博物館のアイヌ民族関係史資料の検討、指標化を行い、各自ではそれぞれ文献作業を以下の通り行い、アイヌ民族の民俗資料を扱う比較研究法、日本民族の民俗との比較民俗研究の方法について一定の成果を収めた。 佐野は、民俗の比較の総体的指標として、民族宗教の比較により、それぞれの民族性を把える視角を提示。日本民族の祖先崇拝、アイヌ民族の自然宗教の特質を両民族の、樹木・山岳信仰に焦点を当て論じた。また、金田一京助、藤原相之助のアイヌ民族研究、蝦夷研究における書誌学的研究に着手し、東北地方の民俗研究における比較民俗研究の必要性を、民俗性と民族性の概念を設定して論じることを提示した。 飯島は、従来の民俗学の異文化・異民族に対する視角の欠如を学説史的に整理し、民俗事象から民族を把らえる視点が、学問分野を越えて必要であることを論じた。また、知里真志保のイーミックな立場からのアイヌ文化の特質を文献作業で継続している。 菅は、鮭漁撈を中心にしてアイヌ民族の北方諸民族中における物質文化の特質を、魚叩き棒を事例に指標化した。また、江戸期の菅江真澄の蝦夷紀行文中のアイヌ習俗の索引化に着手し、当時の民俗復元の予備的作業にはいった。 湯川は、狩猟採集経済下における生業複合を主に、アイヌ民族の民具の研究視角から把える方法の模索を行った。削り掛けとイナウの歴史的関連などを事例研究として提示した。また、東北地方の蝦夷とアイヌ民族の関係を喜田貞吉の文献解読から検討した。
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