研究課題/領域番号 |
09410093
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安藤 保 九州大学, 文学部, 教授 (60136827)
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研究分担者 |
八百 啓介 北九州大学, 文学部, 助教授 (20212269)
真栄平 房昭 神戸女学院大学, 文学部, 助教授 (50183942)
佐伯 弘次 九州大学, 文学部, 助教授 (70167419)
坂上 康俊 九州大学, 文学部, 助教授 (30162275)
中村 質 別府大学, 文学部, 教授 (50069457)
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キーワード | 前近代 / 東シナ海海域 / 交易システム / 情報 |
研究概要 |
1.研究第一年目であり、研究環境と研究態勢を整えることを主としたために、全体としての成果はまだ現れていないが、分担研究者個々の総合研究へ繋がる業績は積み重ねられている。 2.中村質編『鎖国と国際関係』(吉川弘文館)において、佐伯弘次は、戦国期の史料により宗氏の後期和冠への対応の実態を明らかにし、小宮木代良は、明遺臣による請援に対し派兵の風聞が広がる社会状況について触れ、八百啓介は、貨幣改鋳に伴うオランダ貿易への影響について商館の仕訳帳・東インド総督の訓令から明らかにし、岩崎義則は貿易代価として重きをなしている長崎廻銅の実態に迫っている。 3.中村質編著『開国と近代化』(吉川弘文館)において、中村質はオランダ通詞楢林家の私商売の実態に迫り、真栄平房昭は、アヘン戦争の中国情報が長崎の唐人・オランダ人からの情報のほかに薩摩藩が琉球を経由して積極的に収集し、その情報を島津斉彬が一橋派大名・朝廷へ伝えており、彼が海外情報のキ-マンであったことを明らかにした。梶原良則は、アヘン戦争後のアジア情勢を背景として、長崎警備を担当する佐賀・福岡両藩の台場建設に関する建白書の分析を行い、これを契機に佐賀藩の軍事改革による雄藩化が実現し、藩主鍋島直正も有志大名として評価を得たとする。 4.個々の研究の積み重ねと共に、関係文献・史料のデーターベース化も今後の目標である。
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