研究分担者 |
岩崎 義則 九州大学, 文学部, 助手 (60294849)
八百 啓介 北九州大学, 文学部, 助教授 (20212269)
真栄平 房明 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (50183942)
六反田 豊 九州大学, 文学部, 助教授 (40220818)
佐伯 弘次 九州大学, 文学部, 助教授 (70167419)
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研究概要 |
分担研究者の研究テーマに即した史資料の収集と研究は順調に進んでおり,平成10年12月19日に開かれた研究報告会では次の報告がなされた。 1 岩崎義則「近世対外関係史料翻刻の準備について」, 2 佐伯弘次「中世博多貿易商人の諸類型と交流モデル」,3 真栄平房昭「琉球の進貢貿易論をめぐる一視点」。 1では,17後半世紀〜18世紀中頃の対馬藩の銅・朝鮮人参貿易に関する史料である「古川家覚書写」とオランダ通事による編纂と考えられる近世初期〜文化元年迄の日蘭貿易編年史料である「長崎実記年代録」の内容紹介と翻刻の準備状況について報告した。2では,博多を中心にして琉球および日本海・若狭等を結ぶ交易ルートの存在を明らかにして,田中健夫『中世海外交渉史の研究』に示される交易モデルを修正することが可能であると指摘した。3では,安良城盛昭・邊土名朝有両氏の研究を踏まえ,進貢貿易における貿易品の琉球おける需要と消費のあり方について白砂糖・茶・唐傘・鉄針の諸品について報告し,琉球進貢貿易に新たな視点が必要なことと中国側の史料収集の重要さを指摘した。 さらに,六反田豊は朝鮮から琉球,琉球から朝鮮への漂流年表を作成し,日本海海域での朝鮮人漂流の研究で成果をあげている。八百啓介は,長崎県立図書館・大村市立図書館・三井文庫・東京大学史料編纂所などの長崎貿易関係史料を収集し,オランダ東インド会社・日本・中国との交易関係について研究を進めている。学位論文を『近世オランダ貿易と鎖国』として出版した。梶原・小宮も研究テーマに即した史料収集を進めている。
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