研究課題/領域番号 |
09410095
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
高良 倉吉 琉球大学, 法文学部, 教授 (60264470)
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研究分担者 |
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 助教授 (50224712)
赤嶺 政信 琉球大学, 法文学部, 助教授 (40192893)
川平 成雄 琉球大学, 法文学部, 助教授 (30214505)
池宮 正治 琉球大学, 法文学部, 教授 (00044842)
山里 純一 琉球大学, 法文学部, 教授 (50166659)
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キーワード | 沖縄県多良間島 / 伝統的社会システム / 八月踊り / 琉球 |
研究概要 |
沖縄県宮古郡多良間村は、多良間島と水納島の二つの島からなる、人口1300人余の小さな村である。第2次世界大戦において壊滅的な打撃をうけた沖縄本島に比べて戦争被害の比較的ちいさかったこの島には前近代、近代の歴史史料が保存されているうえに、芸能、音楽、民俗、言語の面で文化的伝統をよく保持する。しかし、急激な社会の変化、ライフスタイルの変容、過疎化などによって多良間島社会にも変化が随所にあらわれている。多良間島社会の実態と変容を多面的、総合的に解明するために、初年度には以下のことをおこなった。 代表者および研究分担者が既にもっていた多良間島の歴史、民俗、芸能、方言、経済などに関する情報の交換をおこなった。代表者、分担者は、これまで多良間島に関する研究を何らかの形でおこなってきたものであるが、それは個々の研究領域の範囲内でのものであって、今回はじめて異分野間の情報交換をおこなうことができた。そのことによって多良間島の社会とその歴史について総合的に考察する土台が今回はじめて可能となった。 多良間島の下地家文書、その他の歴史史料を今回あらたに調査した。また、近代の経済推移をみるための統計資料を収集したほか、三日間にわたっておこなわれる、島最大の行事「八月踊り」をのべ60時間のビデオに収録し、地元教育委員会が過去に収録した「八月踊り」のビデオ資料と比較検討する材料を得た。この多良間島の「八月踊り」と比較するために、奄美大島の「八月踊り」の調査もおこなった。 初年度である今回は、とくに新たに得られた知見はないが、先にも述べたように異分野の研究者が相互に情報を交換できたことが今後の研究にとって大きな成果である。
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